労働時間に関する用語として、「所定労働時間」と「法定労働時間」という用語が使われます。
似たような言葉ですが、それぞれの意味は全く違います。
労務管理においては、それぞれ非常に重要な言葉です。
本ブログでは、「所定労働時間」と「法定労働時間」の違いについてわかりやすく解説してあります。
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法定労働時間は、労働させることができる上限時間です
法定労働時間とは、労働基準法で労働時間の限度として決められている労働時間のことを言います。
具体的には、1日8時間、1週間40時間と定められています。
ただし、常時 10人未満の労働者を使用する事業場で、
① 商業
② 映画・演劇業(映画の製作の事業を除く)
③ 保健衛生業
④ 接客娯楽業
については、特例として1週間44時間とされています。
つまり、会社は、労働者に1日8時間、1週間40時間を超えて労働させることは原則できません。
もし、労働者に法定労働時間を超えて労働させる場合は、労働基準監督署に必要な届出(36協定)をして、法律に定められた割増賃金を支払う必要があります。
それに対して所定労働時間とは、会社が定める労働時間のことを言います。
具体的には、休憩時間を除く、始業時刻から終業時刻までの時間が、所定労働時間ということになります。
例えば、始業時刻が午前9時で終業時刻が午後6時で休憩時間が1時間の場合、その会社の所定労働時間は、8時間となります。
所定労働時間は、法定労働時間内で定めれば良いので、必ずしも法定労働時間と同じではありません。所定労働時間が7時間という会社もあります。
また、パートタイマーやアルバイトといった各従業員にごとに所定労働時間が異なる場合もあります。
所定労働時間は、法定労働時間内に収まっていれば良いので、従業員ごとに所定労働時間が異なっても、法律的に全く問題がありません。
つまり、所定労働時間とは、労働契約によって決められた それぞれの従業員が働くべき時間、と解釈した方がわかりやすいかもしれませんね。
ちなみに、所定労働時間が7時間の場合、ある日に1時間残業させても、その日の 労働時間は8時間で、法定労働時間内ですので、このような場合には、割増賃金の支払いは必要ありません。
もし、時給1,000円の従業員でしたら、1時間の労働分の1,000円だけ支払えば良いこととなります。(ただし、変形労働時間制を導入している場合には、1日の所定労働時間が7時間であっても、1時間の時間外労働でも、割増賃金の支払いが必要となる場合があります。
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社会保険労務士 松本 容昌
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