本ブログでこれまでも助成金に関しては、何回か取上げてきました。
助成金は、返済不要で使用目的も問われないため、経営者にとっては、非常に魅力的な制度です。
しかし、助成金は、申請主義でもあるため、ごく一部の企業にしか利用されていないのが実情かと言えます。
今回のブログでは、いくつかの助成金について、活用できる機会について簡潔にまとめてみました。
もちろん、全ての助成金を網羅することはできませんが、このブログをお読みの皆様の助成金を活用できる機会の増加に少しでも参考になれば幸いです。
※本ブログで記載しています助成金についての要件等はごく一部で、他にも様々な要件がありますので、詳細につきましては、必ず行政官庁等でご確認下さい。
また、本ブログでご紹介している助成金は、平成28年10月現在のものですので、今後、制度の改定及び廃止が行われる場合もありますのでご了承下さい。
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1.パートタイマー等の有期雇用労働者を無期雇用の正社員等に転換した場合
◆キャリアアップ助成金 正社員化コース
6カ月以上雇用してるパートタイマー等の有期雇用労働者(雇用期間の定めがある労働者)を正社員等の無期雇用労働者(雇用期間の定めが無い労働者)に転換した場合に助成金が支給されます。
現在、労働人口の減少により特に中小企業では深刻な人材不足となっています。
そのため、現在、雇用しているパートタイマーやアルバイト等の有期雇用労働者を正社員等に転換してより積極的に活用していくことは高いニーズがあると言えます。
一方、労働者側も子育てが一段落する等の環境の変化により、正社員への登用や労働時間の延長を望むケースも十分考えられます。
会社にとっても新たに正社員等の労働者を雇用するより、能力や資質がわかっている現在雇用している労働者を正社員等へ転換する方がリスクも少ないし、また労働者側も新たな職場より慣れ親しんだ職場で正社員等で働く方がメリット多いと言えます。
この助成金は、有期雇用労働者を正社員へ転換するだけでなく、無期雇用労働者へ転換する場合等にも活用できます。
◆詳しくはこちら
2.50歳以上の有期雇用労働者を無期雇用労働者へ転換した場合
◆ (高年齢者無期雇用転換コース)
50歳以上の有期雇用労働者を無期雇用労働者に転換した場合に上記キャリアアップ助成金 正規社員化コースとは別の助成金が利用できます。
キャリアアップ助成金 正規社員化コースでも有期雇用労働者を無期雇用労働者へ転換した場合でも助成金を活用できますが、こちらの助成金の方が助成額は大きくなります。(ただし、50歳以上と限定されています。)
企業も「長くは働いてもらいたいが、正社員へまでは」と考えるケースも多々ありえますので、そのような場合には、この助成金は、ニーズがあるかと思います。(50歳未満の従業員は、上記キャリアアップ助成金を活用されると良いかと思います。)
◆詳しくはこちら
>>高年齢者雇用安定助成金(高年齢者無期雇用転換コース)
>>独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構
3.短時間労働者の週所定労働時間を25時間未満から30時間以上に延長した場合
◆キャリアアップ助成金 処遇改善コース
この助成金は、週の労働時間25時間未満の有期雇用労働者を30時間以上に延長し、社会保険へ加入させた場合に利用できます。
この助成金は、有期雇用労働者を正社員や無期雇用労働者等へ転換させる必要はなく、週の労働時間を増やし社会保険の適用を受けるようになれば受給できるので会社にとっては非常にリスクが少ないので、利用できる機会も多いと言えます。(その代わり、助成額が少なくなります。)
◆詳しくはこちら
4.評価制度を導入し実施した場合
◆キャリア形成促進助成金 職業能力評価制度導入コース
ジョブカードを利用し、従業員に対する評価制度を導入し、実際に評価を実施した場合に助成金を利用できます。
ジョブカードは、個人のキャリアアップや多様な人材の円滑な就職等を促進することを目的として、職業能力証明のツールとして活用されているものです。
この助成金は、評価制度を導入することにより、従業員の各能力を見える形にすることで、モチベーションのアップ及び定着率を高めようとするものです。
実は、この助成金は、どの企業でも活用可能で設備等の購入や新たな労働者の雇用も必要ないため、活用を検討する価値の高い助成金と言えます。
◆詳しくはこちら
5.会社が、労働者の仕事と介護の両立に関する取組を行った場合
◆介護支援取組助成金
介護離職は、大きな社会問題となっています。
介護離職者の減少を図るため介護支援に取組んだ企業に助成金が支給されます。
具体的な取組内容としては、従業員へのアンケートや社内研修の実施、リーフレットの配布、相談窓口の設置等となります。
この助成金も設備等の購入や新たな労働者の雇用が要件とされていないため、活用しやすい助成金と言えます。
ただ、助成金とは別に次元で、超高齢化の日本において、介護離職者の減少に取組むことは、非常に意義のあることだと言えますし、従業員に介護が必要な家族等が出た場合でも、少しでも介護離職者を減らすことができれば、会社発展にも大きく寄与する寄与することと言えます。
◆詳しくはこちら
>>介護支援取組助成金
>>介護支援取組助成金(支給要領)
6.地域限定社員等の多様な雇用形態制度を導入した場合
◆キャリアアップ助成金 正社員化コース
現在、勤務地限定正社員や短時間正社員といった新しい雇用形態正社員制度が企業で使われるようになってきています。
この助成金は、キャリアアップ助成金 正社員化コースの中の1つですが、有期雇用労働者等を勤務地限定正社員といった多様な正社員等に転換した場合に利用できます。
様々な理由で純粋な正社員への転換は困難な従業員でも、多様な正社員等への転換が可能な場合も十分考えられます。
◆詳しくはこちら
7.「育休復帰支援プラン」を策定及び導入した場合
◆中小企業両立支援助成金 育休復帰支援プランコース
企業が、育児休業取得予定者に対して、「育休復帰支援プラン」を策定及び導入し、実際に育児休業を取得した場合に助成金が支給され、さらに、育児休業終了後、職場復帰した場合に加算助成されます。
この助成金も注目の助成金の1つと言えます。従来の育児休業後の復帰に関する助成金は、研修等の費用の一部を助成するものでしたが、今回の助成金は、育休復帰支援プランの策定及び導入が主な要件となりますので、会社で育休復帰支援プランを策定すれば、費用が必ずしも必要なく、使い勝手が良い助成金と言えます。
◆詳しくはこちら
8.就職困難者をハローワーク等を通じて雇用した場合
◆特定求職者雇用開発助成金
高年齢者や障害者等の就職困難者をハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者(雇用保険の一般被保険者)として雇い入れる場合に助成されます。
この助成金は、就職困難者をハローワーク等の紹介により雇用することが主な要件ですので、逆な見方をすれば、企業にとってハローワーク等を通じて雇用した労働者が、就職困難者であれば助成金を受給できる可能性があります。
ただ、ハローワーク等から紹介される労働者が助成金に該当するとは限らないので、ある意味運任せのところはありますが、ハローワーク等へ求人を出すことはには費用を要しないので、こまめにハローワークへ求人を出しておくと意外に利用できる機会が多いと言えます。
◆詳しくはこちら
9.既卒者等が応募可能な新卒求人の申込みまたは募集を新たに行った場合
◆三年以内既卒者等採用定着奨励金
通常、求人を行う場合、新卒者と中途採用と分けて求人が行われますが、新卒者の求人に純粋な新卒者だけでな学校卒業後、定職に就いていないなど一定の条件を満たした既卒者等の募集が可能な求人を新たに行い、採用後一定期間定着させた 場合に助成金が利用できます。
既卒者等であっても有能な人材であれば、中小企業においては必ずしも純粋な新卒者にこだわらない場合も多々ありえますので、利用価値が高い助成金と言えます。
ただし、この助成金は、求人を行う以前3年間に、既卒者等が応募可能な新卒求人を行っていた場合には対象とはなりません。
◆詳しくはこちら
10.従業員に対して研修等の教育訓練を行った場合
◆キャリアアップ助成金 人材育成コース キャリア形成促進助成金 雇用型訓練コース等
労働者のキャリア形成を効果的に図るために、従業員に対して教育訓練等を受講させる企業に対して様々な助成金が支給されます。
教員訓練当に関する助成金は、研修等の費用の一部が負担され、また賃金助成も行われる場合もありますので、企業にとっては、費用負担が少なくて、従業員の能力等の向上を図ることができ、売上増加にも繋げることが可能となりますので、効果的に利用されると良いかと思います。
◆詳しくはこちら
>>キャリアアップ助成金 人材育成コース
>>キャリアアップ助成金
>>キャリア形成促進助成金 雇用型訓練コース等
◆雇用保険助成金制度の概要についてはこちら
>>事業主の方のための雇用関係助成金
社会保険労務士 松本 容昌
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