Q41.週休2日制は、難しいのですが・・・。

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【質問】
 
「当社の休日は、隔週2日制なのですが、先日、従業員から、週休2日でないと、労働基準法違反ではないか?との指摘を受けました。ちなみに、当社の所定労働時間は、7時間30分で通常の休日の他に年末年始休暇と夏期休暇があります。昨今の厳しい経済情勢では、週休2日を導入することは困難なのですが・・・・」
 
【回答】
 
「隔週2日の場合、変形労働時間制を導入していないと、労働基準法に違反している可能性が高いと言えます。」
 
【解説】
 

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労働基準法では、休日に関しては、最低でも1週間に1日、又は4週間に4日、従業員に与えることを義務付けています。

しかし、それとは別に、1日8時間、1週間40時間の法定労働時間が、定められています。

となると、1日の所定労働時間が、8時間の場合、1週間の法定労働時間を超えないためには、勤務日は、1週間の内、最大で5日となります。

結果的に、休日は、週休2日でないと労働基準法違反となってしまいます。

ですから、貴社の1日の所定労働時間は、7時間30分で、休日は、隔週2日とのことですので、休日が1日しかない週の労働時間は、45時間となりますので、ここだけを見ると労働基準法違反となってしまいます。
 
 
しかし、ご質問にもありますように、現在のような厳しい経済情勢下、特に中小企業においては、週休2日の導入が、困難であることも事実です。

そのような状況にかんがみ、労働基準法では、いくつかの変形労働時間制度を認めています。

一般的に利用されているのが、1ヶ月単位の変形労働時間制と1年単位の変形労働時間制です。

詳しい説明は割愛させていただきますが、1ヶ月単位の変形労働時間制は、1ヶ月の中で業務に繁閑があるので、1ヶ月間を平均して、週の労働時間を法定労働時間内に収めようという制度です。
 


それに対して、1年単位の変形労働時間制は、1年間を平均して、週の労働時間を法定労働時間である40時間を超えないようにするものです。

1ヶ月単位の変形労働時間制は、1ヶ月間を平均して週の労働時間を、法定労働時間内に収めようというものですので、例えば、第1週は、1日9時間働いて、その代り、第2週は、1日7時間とする。

あるいは、第1週は、休日が1日だけど、第2週は、休日を3日にする、といったように1ヶ月の中で1日の労働時間や休日数を変動させる方式となります。
 
 
従って、貴社の場合は、1日の労働時間が7時間30分、休日は、隔週2日と、固定されているようですので、現在の状態を適法にするためには、1年単位の変形労働時間制を導入する必要があるかと考えられます。

先程も、お話しましたように、1年単位の変形労働時間制は、1年間を平均して、週の労働時間を40時間以内にする方式です。

結論から言いますと、1日の労働時間が7時間30分の場合、1年間で87日以上の休日があれば、1年を平均して週の労働時間が、40時間以内となります。

ちなみに計算式を書きますと、年間の休日日数が、87日ということは、年間の労働日数は、365日-87日=278日となり、年間の総労働時間は、278日×7.5時間=2085時間となります。
 
 
ところで、1年間は365日で、1週間は7日なので、1年間の週の数は、365日÷7日=52.14週となります。

1年間に52.14週あり、1年間の総労働時間が、2085時間ですので、1週間の平均労働時間は、2085時間÷52.14週=39.98時間となり、40時間以内となります。(ちなみに、閏年の場合は、同じような計算方法によると、88日の休日が必要となります。)

貴社の場合、隔週2日以外にも年末年始休暇や夏期休暇があるようですので、それらを合計して年間の休日日数が、87日(閏年は88日)以上であれば、40時間以上労働する週があっても、1年間を平均すると、法定労働時間以内となります。

もし、年間の休日日数が、87日(閏年は88日)に満たない場合は、そのままでは労働基準法違反となりますので、休日数を増やすか、1日の労働時間を減らす必要があります。

1日の労働時間を7時間20分とすると年間の休日日数は、85日(閏年は86日)で、週の労働時間は、年間を平均すると40時間以内となります。
 
 

では、1日の労働時間を7時にすれば、もっと休日数が少なくて済むのか?というと、残念ながら、年間の労働日数に上限が定められているため、休日数は、最低でも85日以上とされています。

つまり、1日労働時間が、7時間でも7時間20分でも、年間の休日日数は、85日以上必要となります。

なお、1年単位の変形労働時間制を導入するには、協定届、労使協定等を労働基準監督署に提出する必要がありますので、詳しくは行政官庁等にお問い合わせ下さい。
 
 
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社会保険労務士 松本 容昌
 


 

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