就業規則は、労働トラブルを防止し、従業員が安心して働くことができる秩序ある職場環境を維持するためには不可欠なものです。
ところで、就業規則を作成するには、いくつかのルールがあります。
その1つが、絶対的必要記載事項と相対的必要記載事項と呼ばれるものです。
本ブログでは、就業規則の絶対的必要記載事項についてお話ししたいと思います。
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就業規則の記載内容には絶対的必要記載事項と相対的必要記載事項があります
就業規則を作成する際には、守らなくてはならにルールがいくつかあります。
まず、就業規則を作成する場合、必ず記載しなければならない事項があります。
これを絶対的必要記載事項と言います。
絶対的必要記載事項とは具体的に、
1 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇ならびに労働者を2組以上に分けて交替に就業させる場合の就業転換に関する事項
2 賃金(臨時の賃金等を除く)の決定、計算及び支払いの方法、賃金の締め切り及び支払い時期並びに昇給に関する事項
3 退職(解雇事由含む)に関する事項(退職手当を除く)となっています。
絶対的必要記載事項について記載が無い場合には、労働基準監督署に届出ても受理されない場合があるので注意が必要となってきます。
絶対的必要記載事項を規定する際に、注意すべきポイントは、労働時間、休日、休憩、賃金の支払い時期等については、労働基準法等の適用を受けます。
そのため、労働基準法等の法律の基準を満たしている必要があります。
例えば、労働時間について規定する場合には、法定労働時間内で規定する必要があります。
たとえ、従業員も法定労働時間を超えて労働することに合意していたとしても、就業規則に法定労働時間を超えた労働時間を規定することはできず、
仮に規定したとしても、その部分について無効となります。(無効となった部分については、労働基準法等の適用を受けることとなります。)
絶対的必要記載事項に対して相対的必要記載事項というものがあります。
相対的必要記載事項とは、会社内に定めがある場合に必ず記載しなければならに項目です。
逆に言えば、定めがなければ記載する必要はありません。
具体的には、以下の項目が相対的必要記載事項となります。
1 退職手当に関する事項(適用者の範囲、退職手当の決定、計算、支払の方法・時期)
2 賞与等・最低賃金額について定める場合には、これに関する事項
3 食費・作業用品等を負担させる場合には、これに関する事項
4 安全・衛生に関する事項について定める場合には、これに関する事項
5 職業訓練に関する事項について定める場合には、これに関する事項
6 災害補償・業務外の傷病扶助について定める場合には、これに関する事項
7 表彰・制裁について定める場合には、これに関する事項
8 上記のほか、当該事業場の全労働者に適用される事項について定める場合には、これに関する事項
つまり、退職金や賞与(ボーナス)は、本来は、経営者の義務ではありません。
しかし、一度、会社内で退職金や賞与についての定めをすると、就業規則に記載しなけばならなくなり、経営者の義務となりますので注意が必要となってきます。
このように就業規則を作成する場合には、まず絶対的必要記載事項と相対的必要記載事項について正しく理解することが必要です。
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社会保険労務士 松本 容昌
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