キャリアップ助成金 正社員化コースとは?

 
 
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こんにちは

「聞きやすい」「わかりやすい」「何でも聞ける」

15年の経験と実績に加え迅速な対応と実行力で、労働トラブルを防止し労務管理適正化を実現することで会社の更なる発展に貢献する

経営の安心・安定実現コンサルタント
松本容昌  です。

現在、正規労働者と非正規労働者との格差は、大きな社会問題となっております。

そのため、国では、パートタイマー、アルバイト等の非正規労働者を積極的に活用する企業に対して助成金を支給しています。

それが、キャリアップ助成金です。

キャリアップ助成金は、いくつかのコースに分かれていますが、その中の正社員化コースは、企業にとって非常に魅力的で受給しやすい助成金です。

 

しかし、この助成金は、経営者の方にとっては、わかりにく制度となっています。

その大きな原因の1つが、この助成金に出て来る用語にあると思います。

キャリアップ助成金 正社員化コースでは、経営者の方にとっては、聞きなれない難解な用語が多数出てきます。

そのため、全体像をイメージするのが、非常に難しくなってしまいます。

本ブログでは、キャリアップ助成金 正社員化コースに関する主な用語についてわかりやすく徹底解説していきますので、

本ブログをお読みになれば、制度の概要がわかり、現在又は今後の受給の可能性につながるかと思います。

少し長い内容ですが、是非、お読みいただければと思います。
 
なお、本ブログは、前半部分でキャリアアップ助成金 正社員化コースの概要について、後半部分で、実際の助成金の申請手順等について解説してあります。

◆キャリアアップ助成金 正社員化コースの制度の仕組みや受給額、支給要件等についてお知りになりたい方は、このままお読み下さい。

◆実際の助成金申請手順等についてお知りになりたい方は、こちらをご覧ください。

>>キャリアアップ助成金 正社員化コースの申請手順等について

◆ブログをお読みになる時間が無い方、詳細をお知りになりたい方は、助成金無料相談をご利用下さい。

>>助成金無料相談について
 
 
なお、本ブログでは、制度の内容をわかりやすくするため、制度規定の説明を割愛している場合もありますので、実際に助成金を利用する場合には、必ず行政官庁等にご相談して下さい。

はじめに、まずは軽い気持ちでお読み下さい。

 
本ブログは、キャリアップ助成金 正社員化コースについて可能な限りわかりやすく解説してあります。

しかし、制度自体が非常に複雑で、しかも正確性も要求されますので、一度、お読みになっただけでは、ご理解できないかもしれません。

しかし、あまり難しく考えずに、軽い気持ちでお読みいただいて、何となくイメージできれば十分です。

と言うのは、このブログをお読みのあなた様の目的は、キャリアップ助成金 正社員化コースの制度を理解することではなく、キャリアップ助成金 正社員化コースを活用することです。

ブログをお読みになって、もしかしたら、当社でも活用できるかな?と何となくでも思われたら、後は、行政官庁や専門家等に相談すれば良いのです。

キャリアップ助成金 正社員化コースに限ったことではありませんが、助成金を上手に活用するには、何となくでも良いので、「もしかしたら活用できるかな?」と思えることが重要なのです。

ですから、多少わからない所があっても、まずは軽い気持ちでお読み下さい。

なお、当事務所でも助成金の無料相談を行っており、最後にご案内させていただいてありますので、お気軽にご利用下さい。
 

キャリアアップ助成金は、3つのタイプに分かれています

 
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最初にキャリアアップ助成金の全体像についてお話ししたいと思います。

キャリアップ助成金という名前はかなり広く知られているのですが、いまいち、経営者の方に理解されていないのは、全体像が、非常にわかり難い点にあります。

ですから、まず、全体像を正しく理解できると、キャリアップ助成金を利用できる可能性が高まると言えます。

 

キャリアップ助成金は、非正規労働者のキャリアップに取組む企業を支援するために設けられた制度です。

国が、考える非正規労働者のキャリアップは、大きく分けて以下の3つのタイプあります。

①非正規労働者を正規労働者等への転換
②非正規労働者の賃金や労働環境の処遇の改善
③非正規労働者への教育

そして、それぞれのタイプに助成金が設けられています。

助成金の一覧は、こちらをご覧いただければと思います。
>>キャリアアップ助成金のご案内(厚生労働省)

若干、ご説明しますと、①の「非正規労働者を正規労働者等への転換」に対する助成金が、1番上に記載されている「正社員化コース」で、②の「非正規労働者の賃金や労働環境の処遇の改善」に対する助成金が、「賃金規定等改定コース」以下の6つとなります。

なお、③の非正規労働者への教育については、平成30年度より人材開発支援助成金に統合されました。

>>人材開発支援助成金 特別育成訓練コース(厚生労働省)

 

つまり、キャリアップ助成金は、全部で7つのコースの助成金に分かれているわけです。

各コースの助成金は、それぞれ独立した助成金となりますので、「正社員化コース」と「健康診断制度コース」といった複数のコースを利用することも可能です。

そして、8つのコースのなかで、企業にとって非常に魅力的で受給しやすい助成金が、正社員化コースとなります。

それでは、キャリアップ助成金 正社員化コースについて解説していきたいと思います。
 
 

有期雇用労働者等とは?

 
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キャリアップ助成金 正社員コースの概要は、厚生労働省のリーフレットには、

有期雇用労働者等正規雇用労働者等に転換又は直接雇用した場合に支給される」

とあります。

ところで、キャリアップ助成金 正社員化コースに限りませんが、助成金の解説には、非常に多くの難解な法律用語が出てきます。

例えば、先程の概要の説明文でも、「有期雇用労働者等」や「正規雇用労働者等」という用語が出てきますが、これらの言葉の意味を正しく理解できないと、この助成金は、非常にわかりにくいものとなってしまいます。

ですから、ここでは、まず最初に助成金の制度を理解する上で、重要となる用語についてご説明していきたいと思います。

最初に1つご理解いただきたいのですが、一般的に正社員、パートタイマーといった用語が使われていますが、実は、正社員やパートタイマーといった用語は法律用語ではありません。

法律では、全て労働者として扱われます。

正社員やパートタイマーといった用語は、労働者を区分するために便宜的に使われているだけで、正社員やパートタイマーといった定義も法律で規定されているわけではありません。

労働者にどのような名称を付け、どのような定義付けするのは、本来は、各企業の自由であり、その名称の数にも制限がありません。

ですから、このブログでの使われている労働者の種類、名称については、あくまでキャリアップ助成金 正社員化コースに関連してくるものだけとなりますので、その点はご了承下さい。

 

では、まず、「有期雇用労働者等」について解説したいと思います。

先程も書きましたが、キャリアップ助成金 正社員コースは、有期雇用労働者等正規雇用労働者等に転換又は直接雇用した場合に支給されます。

転換又は直接雇用につきましては、後述しますが、助成金を受給するには、助成金の対象となる労働者が、転換又は直接雇用される前に有期雇用労働者等である必要があります。

ところで、有期雇用労働者等と「等」という言葉が付いていますので、有期雇用労働者以外の労働者も助成金の対象となる労働者のタイプがあることとなります。

この助成金における、「有期雇用労働者等」は、3つのタイプの労働者を意味します。

ただし、ここで3つのタイプの労働者について一度に全て解説してしまうと、実は、この助成金が、非常にわかりにくいものとなってしまいます。

ですから、ここでは3つのうち、最初に有期雇用労働者(「等」が付いていませんのでご注意下さい。)についてお話ししたいと思います。

残りの2つについては、後述します。

 

それでは、有期雇用労働者についてご説明したいと思います。

有期雇用労働者とは、有期雇用、つまり雇用期間に定めがある労働者のことを言います。

雇用期間に定めがあれば良いので、雇用期間の長短は問いません。

ですから、雇用期間が1年の労働者も3ヶ月の労働者も同じ有期雇用者となります。

 

ところで、有期雇用労働者か否かの判断は、雇用期間の定めが有るか無いかで判断されますので、労働時間や労働日数の多少や給料の支払い方法等は、考慮されません。

つまり、どんなに労働時間が少ない労働者でも、雇用期間の定めが無く雇用されていれば、有期雇用労働者とはなりません。

 

 

それに対して、労働時間や労働日数も正社員と同じで、給料も月給で支給されていても、雇用期間に定めがあれば、その労働者は、有期雇用労働者となります。

有期雇用労働者の種類としては、一般的に契約社員やパートタイマー、アルバイトと呼ばれている労働者があります。

契約社員は、一般的には、雇用期間の定めがあり、労働時間や労働日数は、フルタイムで働く社員と定義され、パートタイマーやアルバイトは、雇用期間の定めがあり、労働時間や労働日数が、少ない社員と定義されます。

 

ここで、「労働者」と「社員」という言葉が出てきて、よくわからなくなってしまったかと思います。

このブログでは、「~労働者」と使う場合は、労働者を大枠や概念で表す場合に使い、「~社員」は、個々の労働者を種類や身分を意味する場合に使います。

例えば、有期雇用労働者は、契約社員やパートタイマー、アルバイトといった雇用期間の定めがある労働者の総称的な意味合いで使っています。

また、次にご説明しますが、正規雇用労働者とは、正社員や多様な正社員をまとめた意味で使っています。

ここは、非常に重要なポイントですので、正しくご理解下さい。
 
 

正規雇用労働者等とは?

 
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では、次に「正規雇用労働者等」についてご説明したいと思います。

正規雇用労働者等は、正規雇用労働者(こちらも「等」という言葉が付いていません。)と無期雇用労働者とに分かれます。

さらに、正規雇用労働者は、正社員と多様な正社員に分かれます。

多様な正社員とは、勤務地限定正社員、職務限定正社員、短時間正社員を指します。

つまり、この助成金では、正規雇用労働者は、全部で4つの種類の社員が対象となってきます。

 

各社員の定義について簡単にまとめると以下のようになります。

正社員は、定年まで働くことができ、つまり雇用期間の定めがなく、会社の所定労働時間をフルに働く労働者となります。

一般的使われている正社員をイメージしていただければ結構です。

 

勤務地限定正社員は、労働時間や賞与等の労働条件は、正社員と同じですが、勤務地が限定されている労働者となります。

 

職務限定正社員は、労働時間や賞与等の労働条件は、正社員と同じですが、職務が限定されている労働者となります。

 

短時間正社員は、労働時間は、正社員より短いが、賞与等の労働条件が正社員と比較して同等である労働者となります。

なお、多様な正社員も正社員同様、雇用期間の定めがないことが条件となります。

多様な正社員についての詳細につきましては、パンフレットの10ページ、11ページをご参照ください。
>>キャリアップ助成金パンフレット(厚生労働省)

 

では、次に無期雇用労働者についてご説明したいと思います。

この助成金では、無期雇用労働者を、「期間の定めのない雇用契約を締結する労働者(短時間労働者及び派遣労働者のうち、期間の定めのない雇用契約を締結する労働者を含む)のうち、正規雇用労働者(正社員、勤務地限定正社員、職務限定正社員及び短時間正社員)以外の者」とされています。

つまり、簡単に言えば、雇用期間の定めが無い労働者のうち、正規雇用労働者以外の労働者は、無期雇用労働者となります。

ここの部分は、非常にわかり難いかと思います。

 

しかし、キャリアアップ助成金 正社員化コースを理解する上で、正規雇用労働者と無期雇用労働者を正しく理解することはとても重要なので少し長くなりますが細かくご説明したいと思います。

繰返しになりますが、正社員やパートタイマーといった用語は、法律用語ではありません。

労働者を区分するために便宜上使われているに過ぎません。

ですから、正社員の定義の内容が、会社によって違うこともあり得ますし、違っても法的には全く問題ありません。

 

ただ、実際には、多くの場合、正社員は、雇用期間の定めがなく、会社の所定労働時間をフルタイム働く社員として使われています。

実際、この助成金でもそのように定義としても問題ありません。

しかし、これだけの定義だと、問題が生じる場合があります。

 

例えば、アルバイトと呼ばれる労働者でも、労働時間と労働日数が正社員と全く同じだけ働く場合があります。

もし、この労働者が、雇用期間の定めが無い雇用契約であった場合、この労働者の定義はどうなるでしょう?

雇用期間の定めが無いので、先程ご説明したように有期雇用労働者ではありません。

 

先程、正社員を「雇用期間の定めがなく、会社の所定労働時間をフルタイムに働く社員」とだけ定義してしまうと、この労働者も正社員に該当してしまいます。

しかし、アルバイトなのに正社員というのも違和感があるかと思います。

 

となると、正社員とは何か違う定義の労働者が必要となってきます。

1つの考え方に給料の支払い形態による区分があります。

一般的に正社員と呼ばれている労働者の給料は、月給(日給月給)で支給されている場合がほとんです。

ですから、雇用期間の定めがなく、労働時間と労働日数は正社員と同じでも、給料が日給や時給で支給されていれば、正社員とは違う区分とすることができます。

このような労働者を無期雇用労働者と定義付けすることが1つの考え方となります。

なお、先程も書きましたように各労働者の定義については、法律に規定がないので、各企業が自由に規定することができます。

ですから、正社員と無期雇用社員との区別を給料の支給形態で区分するのは、あくまで1つの方法となります。(ただ、個人的には、給料の支給形態で区分するのが、最もわかりやすいかと思います。)

 

無期雇用も労働者について、少し考えてみたいと思います。

パートタイマーと呼ばれて労働者は、正社員より労働時間や労働日数が少ないのが通常です。

しかし、正社員より労働時間や労働日数が少なくても、雇用契約において雇用期間の定めが無い場合もあります。

繰返しになりますが、雇用期間に定めが無ければ、有期雇用労働者ではありません。

 

先程、雇用期間の定めがなく、労働時間と労働日数は正社員と同じで、給料が日給や時給で支給されている労働者を無期雇用労働者と定義付けることができる、と書きました。

となれば、パートタイマー等の給料は、時給で支給されることがほとんですので、同じように考えれば、労働時間又は労働日数が、正社員より少ない労働者を短時間無期雇用労働者と定義付けることができます。

 

もちろん、このような定義付けすること自体は、法律的に全く問題ありませんが、ただ、そこまで細かく定義付けする必要はないと言えます。

というのは、この助成金自体が、無期雇用労働者について労働時間や労働日数の多少で区別していないからです。

ですから、雇用期間の定めが無い労働者で、給料が日給又は時給で支給されている労働者は、労働時間や労働日数に関わらず、無期雇用労働者と定義付けすれば良いでしょう。

 

つまり、所定労働時間が8時間の会社で、雇用期間の定めが無く給料が時給制で支給されていれば、8時間フルタイムに働く社員と6時間しか働かないも労働者の区分上では、同じ無期雇用労働者となります。

ですから、この助成金においては、無期雇用労働者の中には、無期雇用社員という1つのタイプの労働者しかいないこととなります。

 

ちなみに、労働時間や労働日数が正社員より少ない労働者でも、給料が月給(日給月給)で支給される場合があります。

もし、そのような労働者がいる場合には、先程ご説明した短時間正社員の区分となると考えるとわかりやすいでしょう。

 

では、これまで労働者の定義について個々にご説明してきましたが、まとめると以下のようになるかと思います。

◎正規労働者等

◆正規雇用労働者

・正社員:雇用期間の定めがなく、常に所定労働時間働くことができ、給料が月給又は日給月給で支給される者

・勤務地限定正社員:雇用期間の定めがなく、労働時間等の労働条件は、正社員と同じであるが勤務地が限定されている者

・職務限定正社員:雇用期間の定めがなく、労働時間等の労働条件は、正社員と同じであるが職務が限定されている者

・短時間正社員:労働時間は、正社員より短いが、賞与等の労働条件が正社員と比較して同等である者

◆無期雇用労働者
・無期雇用社員:雇用期間の定めがなく、給料が日給又は時給で支給される者

 

◎有期雇用労働者

・契約社員:雇用期間の定めがあり、常に所定労働時間働くことができる者

・パートタイマー・アルバイト:雇用期間の定めがあり、所定労働時間が正社員より短い者

なお、繰返しになりますが、労働者の定義は法律で規定されているものではありませんので、必ずしも上記のように区分する必要はなく、給料の支給形態や業務内容によって上記以外の定義も可能かと思います。

いかがでしょうか?

後で、具体例を挙げてご説明していきますので、ここでは何となくイメージできれば良いかと思います。
 

労働者の転換とは?

 
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では、いよいよ、上記の労働者の定義を基にキャリアアップ助成金 正社員化コースとの関係についてご説明していきたいと思います。

この助成金では、冒頭でも書きましたが、有期雇用労働者等から正規雇用労働者等に転換又は直接雇用した場合に、助成金が支給されます。(もちろん、支給条件を満たしていることが前提です)

 

まず、最初に転換について、若干ご説明したいと思います。

転換とは、上記の区分で言えば、契約社員から、正社員へ区分が変わることを言います。

ところでは、労働者の区分変更、つまり転換が行われた場合に、行政官庁へ特別届出る必要はありません。

転換は、労働条件変更通知書、雇用変更契約書等の発行、つまり会社内での手続きで行われます。

行政官庁に届出ないということは、行政官庁からの証明が出ないこととなります。

 

実は、この助成金で、転換が行われたことを証明するものは、会社が発行する労働条件変更通知書、雇用変更契約書等の社内書類のみとなります。

ですから、労働条件変更通知書、雇用変更契約書等が、非常に重要なポイントなってきます。
 
 

転換の具体例について

 
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では、助成金の具体的な内容に入っていきたいと思います。

何度も恐縮ですが、本助成金は、「有期雇用労働者等から正規雇用労働者等に転換又は直接雇用」した場合に、助成金が支給されます。

ただし、冒頭でも触れましたように、有期雇用労働者等のタイプには3つありますが、ここでは、まず最初に転換又は直接雇用前が有期雇用労働者(「等」が付いていません。)の場合についてご説明します。

なお、「直接雇用」については、後述する派遣労働者の場合となりますので、ここでは、転換の場合のみでご説明します。

 

転換前が有期雇用労働者の場合、助成金が支給されるのは、転換後に正規労働者等、つまり、正社員(多様な正社員を含む)と無期雇用社員となる場合です。

上記の労働者の区分で言えば

① 契約社員 ⇒ 正社員(多様な正社員を含む)
② 契約社員 ⇒ 無期雇用社員

③ パートタイマー・アルバイト ⇒ 正社員(多様な正社員を含む)
④ パートタイマー・アルバイト ⇒ 無期雇用社員

の場合に助成金の対象となってきます。

ここで代表的な具体的例で考えてみたいと思います。

前提として、会社の所定労働時間が8時間、週5勤務(週休2日)とします。

(例1)
現在の雇用契約が、雇用期間の定めがあり、月給制で勤務時間が1日8時間で、週5日勤務している労働者が、雇用期間の定めがなく、月給制で勤務時間が1日8時間で、週5日勤務の労働条件の労働者に転換した場合。

この場合は、「契約社員 ⇒ 正社員」のパターンとなります。

(例2)
現在の雇用契約が、雇用期間の定めがあり、時給制で勤務時間が1日8時間で、週5日勤務している労働者が、雇用期間の定めがなく、時給制で勤務時間が1日8時間で、週5日勤務の労働条件の労働者に転換した場合。

この場合、転換前は、契約社員となります。給料は、時給制ですが、契約社員の定義には、給料の支給形態は考慮されていませんから、雇用期間の定めがあり、正社員と同じ労働時間であれば契約社員となります。

転換後は、雇用期間の定めはありませんが、給料が時給で支給されるので、労働時間は正社員と同じでも、この場合は、無期雇用社員となります。

ですから、この場合は、「契約社員 ⇒ 無期雇用社員」のパターンとなります。

(例3)
現在の雇用契約が、雇用期間の定めがあり、時給制で勤務時間が1日6時間で、週5日勤務している労働者が、雇用期間の定めがなく、月給制で勤務時間が1日8時間で、週5日勤務の労働条件の労働者に転換した場合。

この場合、転換前は、雇用期間の定めがあり、労働時間が正社員の労働時間より短いため、パートタイマー・アルバイトの区分となり、転換後は、正社員の区分になります。

この場合のパターンは、「パートタイマー・アルバイト ⇒ 正社員」となります。

ちなみに、転換後の給料の支給形態が、時給制や日給制の場合は、「パートタイマー・アルバイト ⇒ 無期雇用社員」となります。

(例4)
現在の雇用契約が、雇用期間の定めがあり、時給制で勤務時間が1日6時間で、週5日勤務している労働者が、雇用期間の定めがなく、時給制で勤務時間が1日8時間で、週5日勤務の労働条件の労働者に転換した場合。

この場合、転換前の区分は、例3と同じなのでパートタイマー・アルバイトとなります。

転換後は、労働時間は転換前と同じですが、雇用期間の定めがなくなりましたので、無期雇用社員となります。(労働時間に関わらず、雇用期間に定めが無い場合には無期雇用社員となります。)
 
 

無期雇用労働者からの転換について

 
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これまで、ご説明した転換のパターンは、「有期雇用労働者 ⇒ 正規雇用労働者」と「有期雇用労働者 ⇒ 無期雇用労働者」の2つのパターンとなります。

しかし、繰返しになりますが、この助成金では、有期雇用労働者等から正規雇用労働者等へ転換又は直接雇用した場合に助成金が受給できます。

そして、転換又は直接雇用前の有期雇用労働者等には、3つのパターンがあると書きました。

その1つが無期雇用労働者です

「無期雇用労働者?」

と思われたかもしれませんね。

これまでのご説明では、無期雇用労働者は、「有期雇用労働者から無期雇用労働者」と転換後に位置していました。

しかし、キャリアップ助成金 正社員化コースでは、無期雇用労働者を正規雇用労働者へ転換した場合にも利用できます。

例えば、雇用期間の定めがなく給料が時給又は日給で支払われている社員(無期雇用社員)が、正社員(多少な正社員を含む)へ転換した場合が、助成金の対象となるケースです。

 

となると、契約社員等の有期雇用労働者を無期雇用社員へ転換した場合に助成金を受給した場合で、その後、同じ労働者を正社員へ再度転換した場合にも助成金を受給することが可能となります。

つまり、1人の労働者で2回、助成金を受給することが可能です。(ただし、助成金の合計額は、有期雇用労働者から正社員へ転換した場合と同額となります。)
 
 

派遣労働者の直接雇用

 
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有期雇用労働者等のもう1つのタイプが、派遣労働者です。

派遣先企業が、受け入れている派遣労働者を直接雇用した場合にも助成金の受給が可能となります。

冒頭にか書きました、キャリアップ助成金 正社員化コースの概要に、「・・・転換又は直接雇用した場合に支給される」と転換だけでなく直接雇用という言葉が使われているは、そのためです。

派遣労働者の場合、派遣先企業に直接雇用される前の派遣元企業との雇用契約において、雇用期間の定めの有無等の雇用内容によって助成金の額が変わってきます。
 
 

助成金を受給できるパターンについて

 
これまでご説明したことをまとめると、キャリアップ助成金 正社員化コースでは、助成金を受給できるパターンは、以下のようになります。

◆パターン① 転換前が、有期雇用労働者の場合

A 有期雇用労働者(契約社員。パートタイマー等) ⇒ 正規雇用労働者(正社員、多様な正社員)
B 有期雇用労働者(契約社員。パートタイマー等)⇒ 無期雇用労働者(無期雇用社員)

◆パターン② 転換前が、無期雇用労働者の場合

C 無期雇用労働者(無期雇用社員)⇒ 正規雇用労働者(正社員、多様な正社員)

◆パターン③ 直接雇用前が、派遣労働者の場合

D 派遣労働者(派遣元企業で有期雇用労働者)⇒(派遣先企業で)正規雇用労働者(正社員、多様な正社員)

E 派遣労働者(派遣元企業で有期雇用労働者)⇒(派遣先企業で)無期雇用労働者(無期雇用社員)

F 派遣労働者(派遣元企業で無期雇用労働者)⇒(派遣先企業で)正規雇用労働者(正社員、多様な正社員)

 

ところで、派遣労働者も派遣元企業との雇用契約においての雇用期間の定めの有無、直接雇用後の派遣先企業との雇用期間の定めの有無等によって助成金受給の可否が判断されます。

ですから、大きな視点から見れば、派遣労働者の場合も、パターン①やパターン②と同様、有期雇用労働者から正規雇用労働者、有期雇用労働者から無期雇用労働者、無期雇用労働者から正規雇用労働者への身分変更と考えられます。

そのため、助成金のリーフレットには、助成金の対象となる形を以下の3つで記載しています。

有期 ⇒ 正規
有期 ⇒ 無期
無期 ⇒ 正規

それを上記のパータン図の記号と組み合わせると以下のようになります。

有期 ⇒ 正規(A D)
有期 ⇒ 無期(B E)
無期 ⇒ 正規(C F)

さて、いかがでしょうか?

キャリアアップ助成金 正社員化コースの全体像をイメージできましたでしょうか?

では、次に助成金受給額についてご説明したいと思います。
 
 

キャリアップ助成金 正社員コース 受給額について

 
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キャリアップ助成金 正社員コースは、転換又は直接雇用前及び転換又は直接雇用後の労働者の種類によって受給額が異なってきます。

ここでは、先程、ご説明した3つのパターンに沿って受給額をご説明したいと思います。

支給額は、中小企業と大企業とで異なってきます。中小企業の範囲は後述します。

また、( )内の金額は、生産性の向上が認められた場合です。生産性の向上についても後述します。

 

◆パターン① 転換前が、有期雇用労働者の場合

有期雇用労働者(契約社員、パートタイマー等) ⇒ 正規雇用労働者(正社員、多様な正社員)

中小企業の場合:1人当たり57万円(72万円)
大企業の場合 :1人当たり42.75万円(54万円)

有期雇用労働者(契約社員、パートタイマー等)⇒ 無期雇用労働者(無期雇用社員)

中小企業の場合:1人当たり28,5万円(36万円)
大企業の場合 :1人当たり21.375万円(27万円)

◆パターン② 転換前が、無期雇用労働者の場合

無期雇用労働者(無期雇用社員)⇒ 正規雇用労働者(正社員、多様な正社員)

中小企業の場合:1人当たり28,5万円(36万円)
大企業の場合 :1人当たり21.375万円(27万円)

◆パターン③ 直接雇用前が派遣労働者の場合

派遣労働者(派遣元企業で有期雇用労働者)⇒(派遣先企業で)正規雇用労働者(正社員、多様な正社員)

中小企業の場合:1人当たり85.5万円(108万円)
大企業の場合 :1人当たり71.25万円(90万円)

派遣労働者(派遣元企業で有期雇用労働者)⇒(派遣先企業で)無期雇用労働者(無期雇用社員)

中小企業の場合:1人当たり28,5万円(36万円)
大企業の場合 :1人当たり21.375万円(27万円)

派遣労働者(派遣元企業で無期雇用労働者)⇒(派遣先企業で)正規雇用労働者(正社員、多様な正社員)

中小企業の場合:1人当たり57万円(72万円)
大企業の場合 :1人当たり49.875万円(63万円)

なお、本助成金には、対象労働者が母子家庭の母の場合等、加算されるケースがいくつかありますので、詳細につきましては、こちらをご参照下さい。
>>キャリアアップ助成金のご案内(厚生労働省)

また、本助成金には、東京都の上乗せ助成がありましたが、現時点では、申請受付が終了しています。
詳しくはこちらをご参照下さい。
>>「東京都正規雇用転換促進助成金」申請受付終了について
 
 

中小企業の範囲について

 
本助成金は、中小企業と大企業とで助成額が違います。

本助成金での中小企業の範囲は、業種、資本金、労働者数で区分されます。

小売業(飲食店を含む)・・・資本金・出資金の総額5,000万円以下または常時雇用する労働者の数50人以下

サービス業・・・資本金・出資金の総額5,000万円以下又は常時雇用する労働者の数100人以下

卸売業・・・資本金・出資金の総額1億円以下又は常時雇用する労働者の数100人以下

その他の業種・・・資本金・出資金の総額3億円以下又は常時雇用する労働者の数100人以下

なお、出資金・資本金または労働者数のどちらかが、該当していれば良いので、例えば、小売業で常時雇用する労働者数はが100人でも、資本金・出資金の総額が5,000万円以下であれば中小企業に該当します。
 
 

生産性の向上について

 
平成29年4月より、生産性の向上が認められた場合には、助成金が加算されるようになりました。

生産性の向上とは、助成金申請する年度と3年前の年度とを比較して、営業利益、人件費、雇用保険の被保険者数を基に算出した生産性が、一定以上増加する場合を言います。

生産性の向上についての説明は、ここでは割愛させていただきますので、詳細につきましては、厚生労働省のパンフレットをご参照下さい。
>>生産性の向上について(厚生労働省)
 
 

転換する場合の注意点について

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キャリアップ助成金 正社員化コースに限ったことではないのですが、助成金には、様々な支給条件が定められています。

特に平成30年度から正規雇用労働者へ転換する場合の条件が改正されましたので、注意が必要です。

◆正規雇用労働者へ転換する場合の注意点

平成30年度より、正規雇用労働者へ転換する際に、賃金の条件が加えられました。

正規雇用労働者へ転換する場合、転換前6ヶ月間と転換後6ヶ月間との賃金の総額が5%以上上昇している必要があります。

ただし、単純に5%ではなく、時間外手当や通勤手当、歩合給等は除かれます。

また、これまで、正規雇用労働者への転換については、転換時における雇用年数は、条件になかったのですが、平成30年度より、有期雇用労働者を正規雇用労働者に転換する場合には、転換時に雇用年数が3年以下という条件が加わりました。

ですから、正規雇用労働者へ転換する時点で、3年以上雇用している労働者は、助成金の対象とはならなくなります。

なお、賃金上昇条件については、様々なケースが考えられますので、詳しくは行政官庁等へお問い合わせ下さい。

◆有期雇用労働者から無期雇用労働者への転換の場合の注意点

では、次に有期雇用労働者から無期雇用労働者への転換の場合の注意点についてお話ししたいと思います・

有期雇用労働者から無期雇用労働者への転換する場合にも注意すべき条件が2つあります。

まず、有期雇用労働者から無期雇用労働者への転換する場合、基本給を5%以上上昇させる必要があります。

例えば、時給1,000円の有期雇用労働者を無期雇用労働者に転換する場合には、転換後の時給を1,050円以上にする必要があります。

なお、有期雇用労働者から無期雇用労働者へ転換する場合は、先程ご説明した正規雇用労働者へ転換する場合と違い、転換前と転換後の賃金の総額を5%以上上昇させる必要はなく、基本給を5%以上上昇させれば良いこととなります。
 
 
次に有期雇用労働者から無期雇用労働者への転換する場合、転換又直接雇用前の雇用期間が4年未満である必要があります。

転換時点で、雇用期間が4年以上経過している場合には、有期雇用労働者から無期雇用労働者へ転換又は直接雇用しても助成金は、受給できません。
 
 

これはNG!です

 
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本助成金で特に注意していただきたいことが1つあります。

本ブログ中でも書きましたが、労働者の区分を転換する場合には、特別行政官庁等への届出は必要ありません。

転換の事実は雇用契約書(労働条件通知書)等の社内的な書類で確認します。

ですから、本来は正規雇用労働者として雇用する場合でも、最初に雇用期間の定めのある契約で雇用し、その後、雇用期間を定めが無い契約に変更すれば、外見上は助成金の対象となってしまいます。

しかし、本助成金では、予め正社員としての雇用が約束されているなど、転換後の労働者の区分が保障されている場合には、助成金の対象外としています。

ですから、予め転換又は直接雇用後の労働者の区分が約束されている労働者を対象としてしまうことは、明らかな不正受給となってしまうのでご注意下さい。
 
 

まとめと助成金無料相談、申請手順について

 
 
助成金を活用する機会を逸しないためには、当たり前ですが、どのような場合に助成金を利用できる知っている必要があります。

そのためには、少なくとも助成金の概要を把握しておく必要があります。

ただし、経営者の方は、全てを理解する必要はありません。

あくまで概要を知ってさえいれば十分です。

と言うのは、「もしかして、このケースだったら、助成金を利用できるかな?」と思えば、詳しい内容については、行政官庁や私のような専門家に相談すれば良いのです。

多くの経営者の方は、残念ながら助成金自体を知らないため、「もしかして、このケースだったら、助成金を利用できるかな?」とさえも思わないのが実情です。

今回の内容でキャリアップ助成金 正社員化コースの概要についてはある程度おわかりになったかと思いますので、今後の助成金活用につなげていただければと思います。

なお、今回のブログをお読みになって、不明点や疑問点がおありでいたら、当事務所では、助成金の無料相談を行っていますので、是非、お気軽にご利用下さい。

>>助成金無料相談について

※なお、繰返しになりますが、本ブログでは、制度の内容をわかりやすくするため、制度規定の説明を割愛している場合もありますので、実際に助成金を利用する場合には、必ず行政官庁等にご相談して下さい。

また、ここまでブログを読まれて、ご自分の会社で、キャリアアップ助成金 正社員化コースを活用していきたい思われる経営者の方で、申請手順の流れ等についてお知りになりたい方は、引き続き「キャリアアップ助成金 正社員化コースの申請手順について」をお読み下さい。

>>キャリアアップ助成金 正社員化コースの申請手順等について
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無料相談と申請手数料について

 

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当事務所では、助成金無料相談を行っておりますので、キャリアアップ助成金に関するご質問等ありましたらお気軽にご相談下さい。

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ただし、現在、就業規則が無い場合で、新たに就業規則の作成が必要な場合は、就業規則の作成費(2万円~)が別途必要となります。既に、就業規則があり、変更だけの場合は、費用は申請手数料に含んでいます。

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ご相談は、無料ですのでまずはお気軽にご相談下さい。
 
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キャリアアップ助成金 正社員化コースの申請手順

 

 
ここでは、キャリアアップ助成金 正社員化コースの申請手続きについてお話ししたいと思います。

まず、キャリアアップ助成金 正社員化コースを活用するには、

各都道府県労働局にキャリアアップ計画書を提出する必要があります。

実際の様式はこちらをご参照下さい。
>>キャリアップ計画書
 
 
ところで、正社員等への転換は、このキャリアップ計画書に基づいて行われるため、

このキャリアップ計画書は、対象労働者を転換する前に提出する必要があります。
 
 
提出期限は、以前は、転換予定日の1ヶ月以上前に出す必要がありましたが、現在では、転換予定日の前日までと緩和されました。(ただし、実際には、計画書の内容に不備等がある場合も考えられますので、ある程度、余裕を持って提出することをお勧めします。)

そして、キャリアアップ助成金 正社員化コースを活用する場合に、

もう1つ重要なポイントとなってくるのが、就業規則です。

 

この助成金では、正社員等への転換は、企業の転換制度に基づいて行われる、という考え方を持っているので、社内に正社員等への転換制度を定めることを支給要件としています。

つまり、転換制度を定めた就業規則が必要となってきます。
 
 
就業規則の転換制度に基づいて、転換が行われるわけですから、

正社員等への転換予定日までに就業規則に転換制度を導入する必要があります。

(なお、従業員数が10人以上に企業の場合は、労働基準監督署に届出る必要があります。10人未満の会社は、労働基準監督署に届出るか、届出をしない場合には、従業員の全員の署名・捺印がある申立書が必要となります。)
 
 
 
このようにキャリアアップ助成金 正社員化コースは、対象労働者を転換する前に、キャリアップ計画書の提出と就業規則の整備を行う必要があります。

これまでの内容をイメージで表すと

①対象労働者の6ヶ月以上雇用(派遣労働者の場合は、派遣元での6ヶ月以上の雇用)

②キャリアアップ計画書の提出

③就業規則の整備

④正社員等への転換

⑤転換後、6ヶ月間の賃金を支給後、助成金申請

となり、どのパータンであっても、この流れは同じとなります。

ですから、キャリアアップ助成金 正社員化コースは、この流れをご理解いただければ、手続き自体は、意外にシンプルであることがおわかりかと思います。
 
 

キャリアアップ助成金 正社員化コースの注意点

 
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これまでご説明してきましたように、キャリアアップ助成金 正社員化コースは、労働者の区分がいくつもあり、複雑に見えますが、手続き自体は、どのパターンも基本的には同じで、手続きの煩雑さもさほど無ないのですが、ただ、いくつか注意すべきポイントがあります。

ここでは、重要ないくつかのポイントについてご説明したいと思います。
 
 
①就業規則の整備について-1-

キャリアアップ助成金 正社員化コースでは、就業規則に正社員等への転換制度を規定する必要があります。

ここで注意しなければならないのは、

転換規定を助成金に対応した内容とする必要があります。

実は、転換制度の規定例は、こちらのパンフレットのP24以降に記載されています。

ただし、必ずしもこの規定通りにする必要はなく、例えば、規定例では、転換時期は、1年に1回となっていますが、毎月することも可能ですし、試験についても必ずしも規定例の通りとする必要はありません。

ただ、この助成金において、就業規則の規定内容は、最も重要なポイントとなって きますので、規定の内容が不十分であった場合には、助成金が不支給となってしまう場合があります。

ですから、もし、ご自分で手続きを行う場合には、

必ず転換制度の規定については、行政官庁や専門家へご確認するようにして下さい。
 
 
②就業規則の整備について-2-

就業規則の整備についてもう1つ注意すべき点があります。

これまでお話ししてきましたように、キャリアアップ助成金 正社員化コースでは、転換後の労働者の区分が、正規雇用労働者、無期雇用労働者、多様な正社員に分かれます。

ですから、転換制度も、それぞれ規定する必要があります。

つまり、正社員への転換制度だけを規定したのでは、無期雇用労働者への転換には対応しないこととなります。
 
 
先にお話ししたように、キャリアアップ助成金 正社員化コースはいくつかのパターンがあります。どのパターンを利用するかは、その時々の状況によって異なってきます。

転換制度の規定に関しては、最初に全てのパターンを網羅するように就業規則を整備するか、その都度、各パターンの転換制度を追加していくかが必要となります。

いずれにしても、キャリアアップ助成金 正社員化コースにおいて、就業規則の整備は、 非常に重要なポイントとなってきますので、十分ご注意下さい。
 
 
③労働者の区分について

キャリアアップ助成金 正社員化コースは、有期雇用労働者から正規雇用労働者、無期雇用労働者から多様な正社員への転換と労働者の区分が変わることとなります。

ですから、労働者の区分が就業規則において明確となっている必要があります。

例えば、

正規雇用労働者と無期雇用労働者とは何が違うのか?

短時間正社員とはどのような社員なのか?

といった点が明確となっている必要があります。
 
 
④適正な労務管理

各助成金は、それぞれ様々な支給要件が定められていますが、

その前提には、適正な労務管理が行われている必要があります。

具体的に、賃金台帳や出勤簿(タイムカード)、労働者名簿といった法定帳票が整備されていて、割増賃金が法律通りに支給されている等の必要があります。

特に割増賃金の支払いについては、かなり細部にわたってチェックされますので、注意が必要です。
 
 
また、キャリアアップ助成金 正社員化コースにおいては、転換後に社会保険へ加入していることが要件として定められています。
 
 

キャリアアップ計画書の提出先について

 
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先にご説明しましたように、キャリアアップ助成金 正社員化コースでは、対象労働者を転換する前に、各都道府県労働局へキャリアップ計画書を提出する必要があります。

ただ、実際の提出先は、各都道府県によって異なります。

事業所を管轄するハローワークを通じて提出する場合や県庁所在地などの助成金センターで一括して受け付けている場合もあります。

また、郵送での提出を認めている都道府県もあれば認めていない都道府県もあります。

ですから、まずは事業所を管轄するハローワークへご相談していただければ、と思います。仮にハローワークへ受付けしていない場合でも、提出先等を教えてくれるはずです。
 
 
最後までお読みいただきありがとうございました。
 
社会保険労務士 
松本 容昌
 
 

無料相談と申請手数料について

 

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キャリアップ助成金Q&A

ここでは事業主の方からのよくお受けするご質問をQ&Aの形でご紹介していきます。

Q-1 キャリアアップ助成金 正社員化コースは、個人事業主でも利用できますか?

個人事業主でも利用は可能です。

キャリアップ助成金 正社員化コースでは、正社員等への転換後は、雇用保険の被保険者となる必要があります。

雇用保険への加入条件は、労働時間が1週20時間以上及び31日以上の雇用見込みですので、この条件を満たしている労働者を雇用している場合には、法人であっても個人事業主であっても雇用保険への加入義務が生じます。

ですから、個人事業主であっても、キャリアアップ助成金 正社員化コースの利用は可能です。
 
 

Q-2 キャリアアップ管理者について教えて下さい。

キャリアアップ計画を立てる場合には、キャリアアップ管理者を選任する必要があります。

キャリアアップ管理者は、有期契約労働者等のキャリアアップに取り組む者として必要な知識及び経験を有していると認められる者とされているので、一般的には事業主や役員が該当します。

しかし、有期契約労働者等のキャリアアップに取り組む者として必要な知識及び経験を有していると認められる者であれば、事業主や役員以でもキャリアップ管理者となることができます。

また、有期雇用労働者であっても、必要な知識及び経験を有していると認められれば、キャリアップ管理者となることができます。

ただし、キャリアップ管理者は、雇用保険の適用事業所ごとに設置する必要があるので、1人が複数の適用事業所のキャリアップ管理者を兼務することはできません。
 
 

Q-3 転換日が、キャリアアップ計画期間開始日以前の場合には?

キャリアアップ助成金 正社員化コースは、キャリアアップ計画期間開始までにキャリアアップ計画書を提出すると共に転換日がキャリアップ計画期間内であることが必要です。

従って、例えば、平成30年4月1日開始日であるキャリアップ計画を平成30年2月1日に提出しても、転換日が、平成30年3月1日の場合には、キャリアアップ計画期間外であることから、助成対象にはならなくなります。
 
 

Q-4 転換後、対象労働者が休業してしまった場合には?

助成金対象労働者が、転換後、休職している場合や育児・介護等の理由で休業している場合には、通常の勤務をした日に含まず、転換後、通常の勤務をした日が 11日以上ある月の6か月分の賃金を支給するまで申請できません。

ただし、賃金が全額支給されている場合には、通常の勤務をした日に含まれます。
 
 

Q-5 賃金形態が、正社員は月給制、多様な正社員は時間給制としている場合、対象労働者を多様な正社員として転換しても助成金の対象となるのでしょうか?

キャリアアップ助成金における多様な正社員(勤務地限定正社員、職務限定正社員及び短時間正社員)は、「賃金の算定方法及び支払い形態、休日や賞与、退職金、昇給等労働条件について、雇用される正規雇用労働者の正社員待遇が適用されている労働者であること」が条件とされているため、正社員が月給制で、多様な正社員が時給制となっている場合には支給を受けることはできません。
 
 

Q-6 正社員へ転換をしたのですが、本人の家庭の都合で他の正社員の通常の労働時間より1時間短い所定労働時間とした場合には、助成金の対象となるのでしょうか?

キャリアアップ助成金における「正規雇用労働者」の定義が、「所定労働時間が同一の事業主に雇用される通常の労働者の所定労働時間と同じ労働者であること。」となっているため、所定労働時間が、通常の労働者より短い場合には、支給対象となりません。

ただし、就業規則に短時間正社員規定及び短時間正社員への転換規定があり、その規定に沿って転換をしていれば、多様な正社員への転換として支給対象となる場合があります。
 
 

Q-7 正規雇用への転換後、1年を待たずして定年退職を迎えた場合には、正規雇用としての期間が極めて短くなってしまいます。このような場合でも支給対象になりますか

キャリアアップ助成金 社員化コースでは、転換又は直接雇用後に定年制が適用される場合には、転換または直接雇用日から定年年齢に達する日までの期間が1年以上あるという条件があるため、助成金の対象とはなりません。

ただし、定年制の適用を受けないことが就業規則等で明らかになっている無期雇用労働者への転換については、助成金の対象となる場合があります。
 
 

Q-8 当社は、正規雇用労働者の定年年齢を就業規則で60歳と定めています。この度、新たに63歳で雇用した有期雇用労働者を正規雇用労働者へ転換させた場合にも、助成金の対象となりますでしょうか?

本助成金は、定年年齢を超えた方の正規雇用労働者への転換は、助成対象とはなりません。ですから、ご質問のように定年年齢を超えている労働者を新たに雇用し正規雇用労働者へ転換したとしても助成金の対象とはありません。

ただし、定年の適用を受けないことが就業規則等で明らかになっている無期雇用労働者への転換については、助成金の対象となる場合があります。
 
 

Q-9 正規雇用労働者への転換制度を規定し、就業規則等に正規雇用労働者への転換の条件として「勤続3年以上」と規定しながら、勤続2年で所属長の推薦を受けて転換した場合は、本助成金の対象となるのでしょうか。なお、就業規則等に例外的な取扱いについての規定はありません。

就業規則等に例外的な取扱いについての規定がない場合は、客観的に確認可能な条件に当てはまらないため、本助成金の対象とはなりません。
 
 

Q-10 労働者が、10人未満の事業所の場合、就業規則の作成義務はありませんが、それでも就業規則を作成し、転換規則を整備する必要がありますでしょうか?

労働者が10未満の事業所の場合、就業規則の作成義務はありませんが、本助成金においては、労働者が確認できる客観的な規定に基づいての取組実施が必要となります。

そのため、本助成金のうち、就業規則等への規定が必要なコースを実施する場合には、就業規則の作成義務のない事業所であっ
ても就業規則又は労働協約その他これに準ずるものを作成し、必要な規定を整備した上で労働者に周知し、その規定に基づいて取組を実施する必要があります。

ただし、労働者が10人未満の事業所が就業規則を作成する場合には、支給申請前に所轄の労働基準監督署長に届け出るか(施行は取組日までに)、又は就業規則の実施について事業主と労働者代表者の署名及び押印による申立書を添付する必要があります。

Q-11 支給申請期間中に対象労働者が退社してしまった場合には、支給申請は可能でしょうか?

支給申請日において対象者が離職している場合には、助成金は支給されません。ただし、本人の都合による離職及び天災その他やむを得ない理由のために事業の継続が困難となったこと又は本人の責めに帰すべき理由による解雇の場合は除かれます。

Q-12 キャリアアップに係る取組実施後、対象となる労働者を6ヶ月以上継続して雇用している必要がありますが、対象となる労働者を転換後に関連会社に転籍出向させた場合には助成金の支給を受けられるのでしょうか?

正社員化コースでは、転換した労働者について転換後6か月の期間継続して雇用している必要がありますが、転換後に関連会社等に転籍出向させたには場合、助成金の支給対象とはなりません。

なお、キャリアアップ助成金の他コースについても、取組実施後、対象労働者を転籍出向させた場合には同様に支給対象とはなりません。
 
 

Q-13 キャリアアップ助成金 正社員コースの支給申請期間は、正社員等への転換後6か月間の賃金支払日の翌日から起算して2か月以内となっていますが、金融機関の休日などの理由によって、就業規則等に規定している賃金支払日より前に賃金を支給した場合、支給申請期間はどのようになるのでしょうか。

キャリアアップ助成金 正社員化コースの支給申請期間は、就業規則等に規定している賃金支払日ではなく、実際に賃金が支給された日の翌日から起算して2か月以内となります。たとえば、就業規則において毎月25日が賃金支払日となっている場合であっても例えば、2月24日、25日が土日となるため 2月23日に前倒しで6か月分の賃金を支給している場合、2月24日~4月23日が支給申請期間となります。
 
 

Q-14 派遣元事業所において対象労働者を正規雇用労働者に転換し、引き続き派遣労働者として勤務させることは可能でしょうか。また、派遣元事業所において抵触日後に対象労働者を転換した場合、本助成金の支給対象になるのでしょうか。

キャリアアップ助成金における正規雇用労働者の定義として、「派遣労働者として雇用されている者でないこと」という要件があることから、転換後、引き続き派遣労働者として雇用されている場合には、正規雇用労働者へ転換したとは見なせず、無期雇用労働者に転換したものと見なされます。

また、派遣元事業所において転換する場合、抵触日後であれば、派遣元事業主が講ずべき措置として、「派遣労働者以外の労働者として期間を定めないで雇用することができるように雇用の機会を確保するとともに、その機会を提供すること」が求められることから、支給対象とはなりません。