1年単位の変形労働時間制を上手に活用することが重要です

 

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経営の安心・安定実現コンサルタント
松本容昌  です。

変形労働時間制で利用されているものに、1ヶ月単位の変形労働時間制と1年単位の変形労働時間制があります。

1年単位の変形労働時間制は、1ヶ月超え1年以内の一定の期間を定め、その期間内の週の平均労働時間を法定労働時間内に収めようとするものです。

この1年単位の変形労働時間制は、1ヶ月単位の変形労働時間制に比べ、制限が多いので、導入の際には注意が必要となってきます。

本ブログでは、1年単位の変形労働時間制の概要についてわかりやすく解説していきます。

なお、1ヶ月単位の変形労働時間制につきましてはこちらをご覧下さい。
 
>>変形労働時間 ~1ヶ月単位の変形労働時間制~
 

1年を通じて週の平均労働時間を40時間以内とします

 
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1年単位の変形労働時間制は、1ヶ月を超え1年以内の一定の期間(対象期間)を定め、その期間内の週の平均労働時間を法定労働時間である40時間以内に収めるものです。

その結果として、特定の日、又は特定の週において、法定労働時間を超えて労働させることが可能となってきます。

また、その場合、割増賃金の支払いも不要となります。
 
 
1年単位の変形労働時間制は、制度が少し複雑なので、ここでは、まず概略についてお話ししたいと思います。

1年単位の変形労働時間制の対象期間は、通常、1年間とされることが多いので、ここでも対象期間を1年間とします。

1年間を通じて、週の平均労働時間を40時間以内に収めるとは、以下のように考えます。
 
 
例えば、1日の所定労働時間を8時間とした場合、週の労働時間を法定労働時間の40時間以内にするには、一番簡単な方法は、週休2日制にすることです。

しかし、中小企業においては、週休2日制を導入することが困難な場合も多々あります。

ただ、週休2日は困難であっても、年末年始やゴールデンウィーク、お盆休暇等、次期によっては、まとまった休日を設定する場合も多々考えられます。

1年単位の変形労働時間制は、これらの休日を含めた1年間のトータルの休日の日数と1年間の総労働時間とで、週の労働時間時間を平均40時間以内にします。
 
 
具体的な数字でご説明したいと思います。

1日8時間の所定労働時間の会社で、年間の休日の日数が、105日の場合、1年間の勤務日は、365日-105日=260日となります。

つまり、1年間の総労働時間は、260日×8時間=2,080時間となります。
 
 
次に、1年間の週の数を計算します。

1年間の週数は、365日÷7日=52.14となり、52.14週あることとなります。

ですから、1年間の労働時間2,080時間を52.14週で割ると、1年間の週の平均労働時間を求めることができます。

2,080時間÷52.14週=39.89時間となり、法定労働時間である40時間以内となります。
 
つまり、1日の所定労働時間が、8時間の会社では、年間の休日日数が、105日以上(労働基準法の休日の規定である、1週間に1日以上又は4週で4日以上の休日の基準を満たしている必要はあります。)であれば、週の平均労働時間が、40時間以内となり、たとえ、特定の週に6日間勤務させて場合であっても、法律違反とはならず、割増賃金の支払いも必要ありません。

なお、閏年の場合は、106日以上必要となります。
 
 
また、時期によって繁閑の差が激しい場合には、1日の労働時間の増減も加味することもできます。

例えば、6月と7月が繁忙期で、10月と11月が閑散期の場合で、6月と7月(62日間)の1日所定労働時間の9時間とした場合でも、10月と11月(62間)の1日の所定労働時間を7時間として、他の月の1日の所定労働時間を8時間とすれば、1年間の総労働時間数は、先程の例と同じ、2,080時間となり、年間の休日日数が、105日以上あれば、週の平均労働時間は、40時間以内となります。
 
 
このような場合には、6月と7月の繁忙期に法定労働時間の1日8時間を超えて労働させることが可能となります。(ただし、9時間を超えて労働させた場合には、割増賃金の支払いが必要となってきます。)

このようにして、1年単の変形労働時間制では、週の平均労働時間を40時間以内に収めて行きます。

1年単位の変形労働時間制は、1ヶ月単位の変形労働時間制に比べ、従業員に負担を多く強いる面がありますので、その分、制約も多くなります。
 
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年間の労働日数には上限が設けられています

 
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繰り返しになりますが、1年単位の変形労働時間制は、1ヶ月を超え1年以内の一定の期間を定め(通常は、1年間とします)、その期間を平均して週の労働時間を40時間以内に収めるものです。

1日の所定労働時間が、8時間の場合には、年間で105日(閏年は106日)以上の休日を設ければ、1年間を通して考えると、週の平均労働時間が40時間以内となります。

となると、1日の所定労働時間が、8時間より短ければ、年間の休日の日数は、少なくてすむ理屈となります。

実際、1日の所定労働時間が、7時間30分の場合では、年間の休日日数は、87日(閏年は88日)以上あれば、週の平均労働時間が、40時間以内に収まります。

さらに、1日の所定労働時間が、7時間20分の場合では、年間休日は、85日(閏年は、86日)以上で週の平均労働時間は、40時間以内となります。

ですから、事情により、休日の日数を増やすことが困難な場合には、1日の所定労働時間を減らす方法も検討すると良いかと思います。
 
 
では、ここで、1日の所定労働時間を7時間にすれば、休日の日数を、もっと少なくできるのか?という疑問が出てくるかと思います。

確かに、計算上は、1日の所定労働時間が、7時間の場合、年間休日は、68日以上で、週の平均労働時間は、40時間以内となります。

しかし、1年単位の変形労働時間制には、1年間の労働日数の上限が、280日と規定されています。

つまり、どんなに1日の所定労働時間が、短くても、年間280日以上労働させることできない、

逆に言えば、年間の休日は、85日(閏年は、86日)以下にすることはできないのです。

ですから、1年単位の変形労働時間制でたとえ1日の所定労働時間が7時間であっても年間の休日は、85日(閏年は86日)以上必要となってきます。
 
 
さらに、1年単位の変形労働時間制で重要なポイントは、導入の際の手続きです。

1ヶ月単位の変形労働時間制では、就業規則に定めれば、従業員の過半数を代表する者との書面による協定(労使協定)を、労働基準監督署に届出る必要はありませんでした。

しかし、1年単位の変形労働時間制は、従業員の過半数を代表する者との書面による協定(労使協定)を必ず届出る必要があります。

つまり、就業規則の規定によって、1年単位の変形労働時間制の導入はできないこととなります。
これは重要なポイントですので、是非、憶えておいていただきたいと思います。

変形労働時間は、労働条件の中で最も重要な事項の1つである、労働時間と密接な関係にありますので、是非、今後のご参考になさって下さい。
 
 
本日もお読みいただきましてありがとうございます。
社会保険労務士 松本 容昌
 
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