ご存知のように、従業員は、労働基準法等の多くの法律で保護されているため、一度、従業員を雇用すると、なかなか解雇が、認められないのが現実です。

ですから、従業員を雇用する際には、後で後悔しないために、雇用時にいかに対策を講じるかが課題となってきます。

本ブログでは、雇用時の注意点についてお話していきたいと思います。

従業員を雇用する前は、労働基準法の適用は受けません


従業員の雇用については多くの事業主の方が頭を悩ませているところです。

「実際に雇用してみたら能力がなくミスばかりしている。」

「協調性がなく他の従業員と問題ばかり起こしている。」

このように、実際に雇用してみたら、「思っていたのとは違う」

事業主の方は、こんな思いを必ず一度はしている、と言ってもいいかと思います。
 
 
確かに、実際に雇用してみないと、その人の能力や人間性はわからないところもあるため、ある程度のリスクは容認しないといけないと思います。

となると、ここで考えなければいけないのは、いかにしてそのリスクを少なくするかです。

 
従業員の雇用に関しては様々な書籍も出ていますし、雇用に関してのコンサルタントの方も数多くいて、インターネット上でも様々な情報を入手する事ができますが、今回は私のこれまでの経験等を通じて2つの事について、書いてみたいと思います。
 
 
まず、最初に従業員は、一度雇用してしまうと労働基準法等様々な法律で保護されます。

よくご存知の事かと思います。
 
 
しかし逆に考えてみて下さい。

労働者は一度雇用してしまう様々な法律の制限を受けますが、雇用する前は労働基準法等の制限は受けないのです。

例としてはあまり良くないのですが、労働基準法第3条では、国籍、信条、社会的身分を理由として、賃金等の労働条件について、差別的扱いをしてはならないとされています。

しかし、仮に国籍、信条等を理由に採用しなかったとしても労働基準法の違反とはならないのです。
 
 
もちろん、道義的な問題はあるし、職業対策法では、採用の採否を決める目的で信条、思想等について情報を収集することは禁止されています。

しかし、偶然に労働者の信条や思想等がわかった場合に、それを理由に採用を拒否しても結果的には法律違反とはならない、とも言えます。

あまり、良い例えではありませんが、何を言いたいのかと言いますと、従業員を一旦雇用してしまうと、様々な法律の制限を受ける、という事を改めて認識していただきたいのです。
 
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一度、雇用してしまうと「とりあえず」が「とりあえず」とはならなくなります


「とりあえず働いてみて下さい」

「数日、様子を見ましょう」

こんな感じで従業員を雇用している事業主の方が実際多くいます。

事業主の方が「とりあえず」の気持ちでも、雇用してしまった後では、「とりあえず」という事はもう通用しなくなります。

たとえ、業主の方が「とりあえず」でも,法律的には労働基準法等の保護を受ける労働者なのです。
 
 
「採用する、しない」は、基本的には事業主の方の裁量で出来ます。

ですから、どんなに採用の基準のハードルを高くしても、法律的には問題はありません。
 
 
もちろん、実際に採用できないのでは、経営が成り立たないので、ある程度のところで採用に踏み切らなければならないでしょうけど、せっかく事業主の方に与えられている「採用の権利」を意識すべきだと思います。

ですから、採用時にはいかに正しく労働者の能力、人間性、性質等を判断するためには、どうのようにしたら良いのかを常に事業主の方は考える必要があると言えます。

確かに人手不足の現在の状況では、なかなか理屈通りにはいかないところもありますが、可能な限り「とりあえず」や「数日様子を見てみる」といった軽い感じで雇用するのは避けるべきだと思います。
 
 
ところで、労働者を雇用するということは、「労働契約を締結する」という こととなります。

となると、契約を締結する時の対応が非常に重要となってきます。
 
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労働トラブルの最たる原因は、労働条件通知書の未交付です


労働基準法では労働者を雇用する際に、労働時間、就業場所、賃金等についての労働条件を書面で労働者に
通知しなければならないとされています。

以前、労動基準監督官の方の講演を聞いたことがあるのですが、労働トラブルの一番の原因は、労働条件通知書を交付しない事と言っていました。

私も全くその通りだと思います!
 
 
私自身もこれまで多くの労働トラブルに関わってきましたが、7割以上が、労働条件通知書を交付していれば、労働トラブルを防ぐ事ができたと思われます。

従業員を雇用する際に、事業主の方は初めから、新たに雇う従業員がトラブルを起こすとは考えないと思います。

同じように従業員もトラブル起こすつもりで入社する人もいないと思います。
 
 
しかし、現実は、時間の経過と共に様々な原因で労働トラブルは起こってしまいます。

そして、多くのトラブルが、労働条件を要因にしているのが実情です。

つまり、書面での労働条件の通知を行っていなければ、後になって、「言った」「言わない」の世界となってしまいます。

結局、解決する根拠がなく、水掛け論が続いてしまいます。
 
何か問題が起こってしまい、「言った」「言わない」の水掛け論になってしまった場合に、いかに解決するのが困難であるかは、おわかりかと思います。

従業員を雇用する際には必ず書面で労働条件を通知するようにして下さい。
 

労働条件通知書より雇用契約書の形で!


ところで、先程書きましたように労働基準法では、一定の労働条件を書面で通知する事が定められています。

つまり、法律では労働条件の通知でよく、雇用契約書の締結まで求めていません。

しかし、労働トラブル防止の観点から考えれば、一方的な通知より、雇用契約書の締結をお勧めします。
 
 
契約書という形を取れば、当然、使用者及び労働者の署名・捺印が必要となります。

この「署名・捺印」が、万一、トラブルが発生してしまった時には大きな役割を果たします。

雇用契約に限らず、契約書に署名・捺印をすれば、契約書に書かれている内容を承諾した事となります。
 
 
後になって「知らなかった」「聞いてない」という事は基本的には言えなくなります。

ですから、従業員の雇用の際には、労働条件通知ではなく、雇用契約書の締結を行う事をお勧めいたします。

いずれにしても、労働条件通知書又は雇用契約書は、労働トラブルを防ぐ、最も重要な要因ですので、是非今後のご参考になさって下さい。
 

ところで、雇用契約書等は、トラブル防止するだけのものではありません。
 
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雇用契約は、権利だけでなく義務も明確化します


従業員を雇用するということは、労働契約を締結するという事です。

従って、従業員は、賃金を受け取ったり、休日、休憩を取ったりできる権利を得ると同時に、適正な労働を提供し、会社のルール等を遵守する、といった義務を負うことになります。

ですから、雇用契約書を交わすということは、権利関係だけでなく、義務の関係についても明確化することとなります。

従って、しっかりとした雇用契約書を交わす事により、従業員にとっても「何をしなければならないのか」「何を守らなければならないのか」がはっきりとすることにより、労働トラブルを自体を発生させない大きな抑止力となります。
 
 
実際、私の顧問先で、従業員を雇用するにあたり、雇用契約書を締結しようとしたら、「こんなしっかりとした会社には追いていけない」と従業員の側から入社を拒絶した事がありました。

それだけ、雇用契約書を締結するかしないかによって、従業員の心構えも大きく変わってくると言えます。

また、雇用契約書の締結は、労働トラブルの防止だけの効果だけはありません。
 
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書面の交付が従業員に安心感をもたらします


通常、何か大切な取引や契約を行う時には書面で行うのが通常です。

もし、大切な取引や契約にもかかわらず、書面でなく口頭で行われたら、きっと不安に思われるかと思います。

従業員を雇用する時も同じだと思います。従業員も働く前はどんな会社なのか不安を持っています。

そんな時に、雇用契約にそれなりの時間を費やしてくれて、労働条件や会社のルールや規程をしっかり、説明してくれれば、「この会社はしっかりしていて、安心して働く事ができる」と従業員も思うはずです。
 
 
「なんかいい加減な会社」と思って働くより、安心感を持って労働する方が、当然、生産性も高くなります。

このように、雇用契約書を締結するという事は、労働トラブルを防ぐといった、いわばネガティブ的な面だけでなく、従業員に安心、信頼を与えるというポジティブな面も持っています。

このようにしっかりと雇用契約書を締結するという事は、経営上非常に重要な要因となりますので、是非、今後のご参考になさって下さい。
 

 
社会保険労務士 松本 容昌
 
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