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【質問】
「先日、退職予定の従業員から、『退職後も健康保険に加入したいのでどうすれば良いのか教えて欲しい』との相談がありました。健康保険は、会社に勤めていないと入れないと思っていたのですが、退職した後も引き続き健康保険に入れるのでしょうか?」
【回答】
「はい、健康保険の加入期間が継続して2か月以上ある場合には、退職後も健康保険に任意継続できる任意継続被保険者の制度があります。最大で2年間加入することができます。ただし、申請期限にはご注意下さい。」
【解説】
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健康保険では、加入期間が継続して2ヶ月以上ある場合は、退職後も健康保険に加入できる任意継続被保険者制度があります。
任意継続被保険者となると、最大で2年間健康保険に加入することができます。
ところで、会社を退職後、医療保険制度に関しては、任意継続被保険者となる方法以外に、国民健康保険に加入する方法があります。
よく、「任意継続被保険者と国民健康保険は、どちらが得ですか?」という質問をうけるのですが、任意継続被保険者は、少し前までは、傷病手当金や出産手当金を受けることができたのですが、現在では、その制度も無くなり、保険治療費の自己負担も同じ3割ですので、制度内容自体は、任意継続被保険者と国民健康保険とでは、ほぼ同じと言えます。
結局、問題となってくるのは、保険料の「高い」「安い」となります。
国民健康保険は、保険に加入する人数、昨年の収入を基に保険料が定められます。
もし、退職した後、国民健康保険に加入する場合の保険料について知りたい場合は、市役所等へ問い合わせれば、直ぐに教えてくれます。(身分を証明するものが必要となります。)
それに対して任意継続被保険者ですが、健康保険の保険料は、通常は、標準報酬月額を基に保険料が算出されます。
それを従業員と会社が2分の1づつ負担します。
任意継続被保険者となると、退職時の標準報酬月額が適用され、保険料は、会社が負担していた分も従業員が負担することとなります。
ただし、任意継続被保険者の標準報酬月額は、通常30万円(令和5年8月時点)が上限とされています。
つまり、退職時の標準報酬月額が、30万円以下であれば、任意継続被保険者となった場合には、保険料は、在職時の保険料を2倍すれば良いのですが、30万円を超えている場合には、30万円へ保険料率を乗じて算出します。
ですから、在職時に標準報酬月額が高かった人は、退職した後に、任意継続を選択すると、保険料が下がる場合もあります。
詳細につきましては、お近くの年金機構等へお問い合わせ下さい。
いずれにしても、国民健康保険と任意継続被保険者の保険料について、比べて安い方を選択するのが良いと思います。
ところで、任意被保険者の手続きですが、これは各都道府県の健康保険協会へ申請の手続きをすることができます。
申請書は、インターネットからも入手でき、郵送での手続きも可能です。
ただし、任意継続被保険者の手続きには1つ注意すべき点があります。
それは、申請期限です。
会社を退職し、任継続被保険者となるためには、健康保険から脱退した日から20日以内に手続きをする必要があります。
国民健康保険は、健康保険の資格を喪失した日から、14日以内に手続きをすることと定められていますが、実際には、14日を過ぎても基本的には、問題無く加入することができます。
しかし、任意継続被保険者の申請期限は、一応、やむを得ない場合には、20日を超えて場合でも申請を受付けてくれる規定はあるのですが、「やむを得ない場合」の基準が、非常に厳しいのです。
ですから通常の場合、20日を超えてしまった場合には、まず、任意継続被保険者とはなれなくなってしまいますので、従業員の方には、もし、任意継続被保険者になるのであれば、申請期限には注意するように必ず伝えるようにして下さい。
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社会保険労務士 松本 容昌
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