試用期間中であっても雇用保険への加入が必要な場合があります!

 

 
 
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経営の安心・安定実現コンサルタント
松本容昌  です。

雇用保険は、退職後の従業員の生活の安定を図るための制度です。

そのため従業員にとっては、非常に重要な制度と言えます。

雇用保険への加入は、法律でその基準が明確に規定されていますが、誤解されているケースも多々見られます。

実は、雇用保険の加入日について、誤った認識で手続きを行ってしまうと、大きなトラブルに発展してしまうケースがあります。

労働トラブルを避けるためにも、雇用保険への加入日について正しく理解することは重要です。

本ブログでは、雇用保険への加入と試用期間についてわかりやすく解説してあります。

雇用保険への加入は、労働時間と雇用期間で判断されます

 
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雇用保険の最も大きな役割は、従業員が退職後受給する失業等給付です。

ちなみに、よく「失業保険を貰った」という言葉を耳にしますが、これは間違いで、「失業保険」と言う保険は存在せず、正しくは失業等給付です。(さらに正確に言えば、失業等給付の中の基本手当です)

名前はともかく、雇用保険では、労働者が退職後、一定の条件を満たす場合に、一定期間の給付を行っています。

ただ、今回は給付制度の内容ではなく、雇用保険の加入についての注意点についてご説明したいと思います。

まず、雇用保険への加入についてですが、これは、労災保険同様、個人事業主、法人を問いません。

個人事業主であっても、雇用保険の加入義務が生じる場合があります。

ただし、労災保険は、たとえ1週間に1日、1時間しか働かない従業員でも加入しなければなりません。
 
 
しかし、雇用保険は、加入資格に一定の要件を定めています。

つまり、労災保険は、どのような労働条件でも従業員を1人でも雇用した時点で加入しなければなりませんが、雇用保険は、加入要件を満たした従業員を雇用した時点で、初めて加入義務が生じます。

雇用保険に加入させなければならない従業員とは、1週間の労働時間が20時間以上で、かつ31日以上雇用の見込みがある従業員です。

従って、1週間の労働時間が15時間の労働者や雇用期間が20日の労働者は、雇用保険に加入させる必要がありません。

ただし、雇用期間が20日と定めても、契約を更新し雇用期間が31日を超えた場合には、雇用保険への加入が必要となります。
 
 
さて、雇用保険で注意しなければならない点ですが、それは加入日です。

雇用保険への加入は、先程ご説明した加入要件を満たした時点となります。

ですから、入社時に1週間20時間以上労働し、31日以上雇用見込みがあれば、入社時点から雇用保険に加入させる必要があります。

しかし、多くの経営者の方が誤解されているのですが、試用期間を設けた場合に、試用期間中は、雇用保険(社会保険も)へ加入させる必要が無いと思われている事業主の方が多くいます。

試用期間は、あくまで会社と従業員との間の身分的な取決めであって、雇用保険はそのような身分で判断するのではなく、あくまで1週間の労働時間と雇用期間で判断します。
 
 
さらに今、身分的な事では判断されない、と書きましたように、たとえパートタイマーやアルバイト、といった従業員でも、雇用保険の加入条件を満たす場合には、当然、加入させなければなりません。

つまり、雇用保険へ加入させるか否かの判断は、あくまで1週間20時間以上労働し、かつ31日以上の雇用見込みの有無で判断され、従業員の身分や名称等で加入の有無が決められるものではありません。

まず、この点を是非、ご理解いただきたいと思います。
 
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失業等給付を受けれなくなってしまう場合があります

 
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ところで、雇用保険の加入日が実際の加入すべき日と違うと、従業員との間でトラブルが起こってしまう場合があります。

ここでは、その具体例をお話したいと思います。

例えば、雇用保険の加入要件を満たす従業員を、平成29年4月1日に雇用して3ヶ月の試用期間を設けて、雇用保険に試用期間終了後の平成29年7月1日から加入させたとします。

現在、自己都合退職で雇用保険の失業等給付を受給するには、退職時に雇用保険に、12ヶ月以上加入している事が必要です。(他にも要件がありますが割愛させていただきます)

従って、先程の従業員が平成29年7月1日から1年以上勤務すれば、失業給付の要件を満たすので、結果的には問題なくなります。(あくまで結果的ですが)
 
 
しかし、仮に11ヵ月後の平成30年5月に自己都合退社したらどうなるでしょうか?

この場合、加入期間が11ヶ月なので、当然、失業等給付の要件を満たすことができません。

しかし、この従業員は、試用期間とは言え、平成29年4月1日から雇用されているため、法律通り、入社時から雇用保険に加入していれば、失業等給付の要件を満たすことになり、退職後に失業給付を受給できたはずです。

仮に、失業給付に1日の金額が5,000円として給付日数が90日とした場合、この従業員は最高で45万円の失業給付を受け取る事ができたのに、それができなくなってしまうわけです。

従業員からすれば絶対に納得できる金額ではありません。
 
 
また、従業員には、給料明細がありますから、試用期間中であっても、入社時から雇用保険への加入の条件を満たしていたことを証明するのは容易なのです。
たとえ、会社と従業員との間で、試用期間終了後に雇用保険へ加入する、と約束していても、その約束自体が法律に反していることなので、結局、トラブルに発展してしまう可能性が、非常に高くなってしまいます。
 
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まとめ

 

 
今回、ご説明しましたように、雇用保険は、従業員の退職後の生活保障の意味合いがあるので、加入日の取り扱い次第では大きなトラブルとなってしまいます。

トラブルが一度起こると、それを解決するためには、多大な労力や時間が必要となってしまい、経営的に考えても大きなマイナスとなります。

確かに、「せっかく雇用保険に加入させても、直ぐに退職してしまうえば、保険料がもったいない」と思われる気持もわからないではありません。

しかし、雇用した従業員が全員直ぐに退職するわけではありません。

仮に、雇用保険に加入後、直ぐに退職してしまい、結果的に保険料が無駄になってしまっても、実際にトラブルが起こり、その解決のための時間と労力を考えれば、経営的にどちらが損失が大きいかは、自ずとおわかりになるかと思います。

ですから、雇用保険への加入は、試用期間を設ける場合であっても、入社日から加入要件を満たしていれば、入社日から加入させるべきです。

法令を遵守することは、無用なトラブルから会社を守る最大の方策でもあるのです。

是非、改めて「法令遵守」の大切さを再認識していただければと思います。
 
 
最後までお読みいただきましてありがとうございます。
社会保険労務士 松本 容昌
 
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