【質問】
 
「当社では、今後、パートタイマー等の人材を積極的に活用していきたいと考えています。それに伴い、福利厚生面でも充実を図りたいと思います。そのため、パートタイマー等も条件を満たせば、社会保険へ加入させようと思っていますが、パートタイマー等の正社員に比べて労働時間が短い社員の場合、どれ位の時間働くと社会保険に加入できるのでしょうか?」
 

【回答】
 
「パートタイマー等、正社員より労働時間や労働日数が少ない社員の場合、正社員の1ヶ月の労働日数及び1日の労働時間のそれぞれおおむね4分の3を上回る場合に、社会保険への加入が必要となります。」
 

【解説】
 
パートタイマー等の社会保険健康保険・厚生年金保険の総称です)への加入条件は、正社員との1日の労働時間と1ヶ月の平均労働日数との比較により判断されます。

具体的に、正社員の1日の労働時間と1ヶ月の平均労働日数のそれぞれが、おおむね4分の3を超える場合には、パートタイマー等でも社会保険への加入が必要となってきます。

ここで注意すべき点は、1ヶ月の平均労働日数と1日の労働時間の両方のおおむね4分の3を超えることが必要となります。

つまり、逆に言えば、1ヶ月の労働日数及び1日の平均労働時間のどちらかが、4分の3以下であれば、社会保険に加入条件を満たさないこととなります。
 
 
具体的な数字でご説明したいと思います。

正社員の1ヶ月の平均労働日数が22日で1日の労働時間が、8時間とします。

それぞれの4分の3は、16.5日と6時間となります。

この場合、正社員より労働日数や労働時間が少ないパートタイマー等のでも、1ヶ月の平均労働日数が、16.5日以上かつ1日の労働時間が、6時間以上の場合には、社会保険に加入する必要があります。
 
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しかし、例えば、1ヶ月の労働日数は、正社員と同じ22日であっても、1日の労働時間が、5時間の場合や、逆に1日の労働時間は、正社員と同じ8時間であっても、1ヶ月の労働日数が、13日の場合には、1ヶ月の労働日数及び1日の平均労働時間の両方が、4分の3を超えているわけでなないので、社会保険への加入の基準を満たしていないこととなります。


ただ、この規定には1つ注意すべき点があり、それは、「おおむね4分の3」となっている点です。

この「おおむね」の解釈が少し曖昧なところがあります。

単に「4分の3」と定められていれば、先の例で言えば、1日の労働時間が、5時間45分では加入の条件を満たさないこととなります。
 
 
しかし、「おおむね」と書かれているので、5時間45分は、4分の3を超えると判断さっる場合もあるし、超えないと判断される場合もあります。

ですから、1ヶ月の平均労働日数または1日の労働時間が、正社員の4分の3に近い場合には、行政官庁(管轄の日本年金機構)へ確認するようにして下さい。
 
なお、今回、ご説明しましたように、パートタイマー等の社会保険への加入条件は、あくまで労働日数や労働時間で判断され、準社員やパートタイマー、アルバイトといった名称で判断されるものではないので、併せてご注意下さい。
 
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適用対象者拡大について


平成28年10月より社会保険の適用対象者が拡大されています。

具体的には以下の5つの要件に該当する場合には、これまでお話ししてきた、勤務時間・勤務日数が、正社員の4分の3未満であっても社会保険に加入する必要があります。

① 週の所定労働時間が 20時間以上あること
② 雇用期間が 1年以上見込まれること
③ 賃金の月額が8.8万円以上であること
④ 学生でないこと
⑤ 被保険者数が常時501人以上の企業に勤めていること
 
 
ところで、法律が改正された時に、マスコミ等で「106万円の壁」という言葉が使われるようになりました。

「106万円の壁」とは、上記要件の③から、月の賃金が、8.8万円ですので、1年間では105.6万円となるので、106万円以上収入があると社会保険に加入しなければならない、という意味で使われています。

しかし、これは必ずしも正確ではありません。

と言うのは、適用拡大対象者に該当するには、上記5つの要件の全てを満たしている必要があります。

逆に言えば、1つでも要件に該当しない場合には、社会保険に加入する必要はありません。
 
 
例えば、時給2,000円で、週の労働時間が15時間の労働者の場合、月額賃金は、2,000円×15時間×4.2週=126,000円となり、年収ベースでは、106万円以上となります。

しかし、上記要件の①の週の所定労働時間が 20時間以上でないため、社会保険への加入対象者とはなりません。
 
 
また、週に20時間以上労働し、月の賃金が、8.8万円以上であっても、1年以上の雇用見込みが無い場合には、同じく対象労働者となりません。

106万円に限らず、103万円や130万円といった数字は、数字だけが独り歩きしてしまう感がありますので、ご注意下さい。
 

 
社会保険労務士 松本 容昌
 
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